同一労働同一賃金の意味

同一労働同一賃金の実現とは？

政府の進める改革の第三の矢に位置づけられている、働き方改革の中には、同一労働同一賃金の実現と長時間労働の是正があります。この内の同一労働同一賃金の実現とは、端的に説明するなら「同じ仕事をしているのなら、同じ賃金を。」という意味になります。

どう受け止めたらいいのか？

「同じ仕事をしているのなら、同じ賃金を。」といってもパートの人もいますし、労働時間が長い人もいますので、給与総額が同じというわけではなく、「時間当たりの賃金に換算して同じようになる。」という考え方でいいと思います。

同じ仕事の定義とは、非常に難しい問題です。例えば正規社員であれば転勤がありますが、非正規社員にはありません。こういった場合には給料に差があっても当たり前ではないか？という意見も多くあります。

こういった、「同じ仕事の定義」が非常に難しいと言われていますし、定義付けがまだできていないのも現実です。

現状では、「同一労働同一賃金とはこういうものです。」と明確に決めるのではなく、「こういうことをやったら同一労働同一賃金のポリシーに反しますよ。」というダメなものをリストアップしていく方向で考えられているようです。

何か心もとないように感じますが、「何を持って同じ仕事と定義するのか。」という問題が非常に難しい中、実現可能なところから着手しているといった感じです。簡単に考えれば、同一労働同一賃金の不正を正すツールとして考えていいと思います。

正社員だとボーナスは支払われますが、パートさんと呼ばれるだけで、ボーナスは支給されません。というふうに二分割してしまう考えはよくありません。本人の意欲や能力は関係無しにそういったものが決められていくについて見直していこうというのが、同一労働同一賃金の実現です。

正規・非正規の線引きを無くして行くのが目標です。

「同じ企業や団体で働く正社員と派遣労働者を除く非正規労働者の基本給について、職業経験や能力、業績や成果、勤続年数によって金額が変わることを容認しながらも、不合理な差を認めない。」

としています。

また、非正規労働者にも昇給や賞与の支払いを原則行うことを前提として、昇給額の内職業能力の向上に基づいて支払われる部分や賞与の内、会社の業績などによって支払われる部分については、不合理な差を認めないと明記しています。

時間外や深夜、休日手当、通勤手当などについては正社員と非正規の間で差を設けることを原則として認めないとしています。

従来非正規社員というのは、主婦パートが最も多く大部分を占めていました。そうなってくると「世帯主が正社員として給与も生活も保障されています。」という状況であって、そしてその中に配偶者がいて、配偶者のほうは足りない部分を稼いで、というような働き方の位置付けだったわけです。

従って同じ仕事をしているかどうかなんて関係無しに、「パートの人の賃金が低いのは当たり前だ。」というふうに受け止めてきた社会があったわけです。そういった中において、非正規というのが例えば若者も含まれてくる、中には世帯主も非正規になってくると、まさに貧困の問題と非正規問題というのが繋がってきました。

そこで、始めて社会としても「これは問題だ。」となり、ではどうやれば非正規の人達の処遇を改善できるのか？その一つとして”同一労働同一賃金”というものが出てきた、あるいは最低賃金の引き上げなんていうのも、そういった流れの中からでてきているわけです。この流れの解釈を考えてみると、やっぱりそこには非正規の雇用条件の改善というものを通じてどういうふうに実現してくのか？というところが非常に重要だと思います。

9割が未経験からのスタート！男女共に正社員雇用。

詳細→AFI JOB　ユーセイ